記憶が無くても(上)

『じゃあな』

『また明日ー』

『バ...バイバイ』

『おう、またな』

そう言って別れた陵。


『じゃあね、また明日ー』

『また明日ねー』

そう言って別れた秋穂。

2人とも、優しく微笑んでいた。



キキーーーバンッッッ___

『おい...子供がひかれたぞ!!

 救急車を早く!!』

『あ...き...ほ...りょ...う』

『今の音何?』

『秋穂...あの子...』

『え...美雨?』

『あ...き..ほ?』

『ちょっと...冗談でしょ?

 美雨。何で車の下にいるの?
 
 早く出ておいでよ。危ないよ』

『ご...め..んね...』

『美雨?ねぇちょっと!!

美雨!!どうして...美雨ーーー!!』