「美ー雨。帰ろー」

「うん!」

「俺は!?」

「あ...すまん。忘れてた」

こうやって、話してる途中でも

名前や話してる内容さえ

忘れてしまうようになった。

まだ、秋穂も陵もあたしが

記憶喪失なのを知っていない。

...ううん。

知ってほしくないだけ。

軽蔑されるかもしれない。

今みたいに戻れなくなるかもしれない。

そう思ってしまう自分がどこかにいて...