その後、上山田先生は部屋に戻った。
ヨシ江という女が上山田先生をだまそうとしている話・・・
とても気になったが上山田先生は俺に関係ないって言った。
上山田先生が関係ないって言ったから俺は気にする必要ないんだ・・・
勝手に騙されてズタズタになればいい・・・
俺はすごくイライラしていた。
その日の夜、上山田先生に電話が来てヨシ江とかいう詐欺師と話してたなんて全く気付かなかったんだ。
次の日の朝、いつもは絶対に自分で起きれないのに上山田先生はかなり早い時間に食卓についた。しかも今日は仕事が休みなのに。
「おはようございます、上山田先生。よく眠れましたか?」
何も気にしてないフリをするのは得意だ。
上山田先生は俺の顔を見ようともせず、俺が作ったイチゴシリアルに視線を落としたまま
「はい、もちろん。ぐっすりと眠れましたよ。」
と答えた。
昨夜あんなことがあった後にぐっすり眠れたなんて。
やっぱり俺のことなんか気にもとめてないのか。
俺は昨晩、ずっと上山田先生のことを考えていて眠れなかったのに。

