Down Mountain Field

何か恥ずかしくて俺は上山田先生に見えないように隠れた。
上山田先生は帰ってくると、お気に入りのピンクと黒のアディダスのエナメルを置いた。
そして俺のベッドを見ると肩を震わせながら泣いているようだった。拳をギュッと握りしめてプルプルと震えていた。俺は無性に愛おしくなって、思わず後ろから抱きしめてしまった。


「まっ、松下先生・・・」

「・・・・帰ってくんの遅せーよ。どこ行ってたんだよ」


ちょっと意地悪な気持の時はタメ口になってしまう。


「・・・松下先生には関係ないではないですか」


上山田先生は俺の腕から逃げようとした。
だけど、なんか悔しくて俺はもっと強く抱きしめた。


「この腕は・・・なんですか?」

「・・・・それも上山田先生には関係ないだろ」


俺はイラッとして思わず上山田先生を突き放した。
上山田先生は尻もちをついて痛そうな顔をして
俺をウルウルした瞳で見上げた。


「・・・・すみません、上山田先生」


俺はそれ以上上山田先生には近づかなかった。
近づいたらしてはいけないことをしてしまいそうで・・・