Down Mountain Field

その日の夜、ヨシ江さんから電話が来ました。お金を明日渡して欲しいそうです。急なことで驚きましたが、僕のATMはもう準備できています。はやくヨシ江さんの笑顔がみたいカラ。歌舞伎町で待ち合わせをすることになりました。一回もいったことがないのでウキウキです。


次の日の朝、朝起きると松下先生は何事もなかったかのように朝ご飯を用意してくれていました。


「おはようございます、上山田先生。よく眠れましたか?」


眠れるわけがないでしょう。
嫌みでしょうか。


「はい、もちろん。ぐっすりと眠れましたよ。」

「・・・そうですか」


心なしか松下先生はクマができているようです。
いつもあるような気もしますが。
気のせいでしょう。

今日の朝ご飯はイチゴシリアルです。初めて食べたのですが、僕がいままで食べてきた中で2番目においしいと思いました。もちろん一番はイチゴヨーグルトですが。どうして松下先生はこんなにも僕の好みを的確に把握しているのでしょうか。イチゴが好きなことは内緒にしてきたのですが。

思えば僕は松下先生の好きな食べ物すら知りません。
佐藤先生ならきっと、タニタ食堂のような栄養バランスの良い最高の朝ご飯を出すでしょう。せいぜい僕に作れる料理といったら納豆とカップラーメンとイチゴヨーグルトだけです。