「どこ行ってたんだよ」
「・・・松下先生には関係ないではないですか」
松下先生の抱きしめる力が強くなります。
「この腕は・・・なんですか?」
僕はきまずさに耐えられなくなって聞きました。
「・・・・それも上山田先生には関係ないだろ」
松下先生は僕を突き放しました。
僕は押された勢いでペッタンと尻もちをついてしまいました。
お尻がイタイイタイです。
「・・・・すみません、上山田先生」
正気を取り戻したのか松下先生は敬語に戻りました。
だけど、僕に決して近づいてこようとはしませんでした。
僕と松下先生の間には見えない壁があるみたいで僕も松下先生には近づいてはいけない気がしました。このまま近づいたら・・・あってはいけないことが起こってしまう気がしました。
松下先生は悲しそうな顔で僕をしばらく見た後、他の部屋へ行ってしまいました。
今日の松下先生はいつも以上に何を考えているのか分かりません。
ただ今の僕に分かることは、松下先生と触れた首と背中がジンジン熱くなっているということです。
諦めようとしてもこうやって松下先生は僕の心を揺さぶってきます。
僕はどうすればいいのでしょうか?

