Down Mountain Field

上山田先生の言葉に、カノコは明らかに機嫌を悪くしていた。
顔が一層テカテカ、したように見えた。
上山田先生の方は何事もなかったように作業をするフリをしてるけど、背が少し高い俺は背伸びをしたら机の上に何ものっかってないのが見えた。手をあわただしく動かしてる、フリをしていた。

「・・・上山田せんせぇ~、胸のカップも分からないんですかあ?あ、経験が少ないんですよねえ?」

「軽い女には興味がないので。」

「それって、まるで私が軽いみたいじゃないですかあ」

頬をわざとらしく膨らますカノコをみてると無性にイライラしてきた。

「・・・軽い女は俺も興味ないです」

上山田先生より大きい声でハッキリといった。
顔だけじゃなくて腕もべとべとしてるみたいで、カノコの動物性脂が俺の腕にべっとりついていた。汚い。振りほどいたらさっきカノコが触れていたところが油でギトギトになっていた。食器洗剤を使わないと絶対に落ちそうになかった。

「上山田先生。暇なので、YIS探検でもどうですか?」

上山田先生のところにいって、机の上に何もないのを改めて確認した。
俺がすぐ横にいるというのに机の上で手をなんか動かしている、フリをしている。
やっと俺が横にいることにきづいたのか恥ずかしそうにもじもじすると手をひっこめた。

「YIS探検・・・?」

上山田先生はクリクリのパッチリ二重な瞳で俺を見上げた。ちょっとドキッとした胸の高鳴りはなかったことにする。