「おはようございます、上山田先生」
俺は出来上がった完璧にどこからどうみても美味しそうなイチゴヨーグルトをテーブルに持っていった。あえて上山田先生を見ないようにしながら。だけど、思わず我慢できずに笑ってしまった。
「フッ・・」
「何がおかしいんですか?」
「上山田先生・・・パジャマ・・・車柄なんですね」
「何がおかしいんですか?」
「いや、別に。可愛いなって」
上山田先生は少し顔をしかめると、パジャマのまま食卓についた。
他にもいくつかイスはあるのに、俺はわざと上山田先生の目の前に座った。
なんだかもぞもぞしている上山田先生。
俺にまた可愛いとか言われるのを期待してるのか?
そんな俺は甘くない。
「上山田先生に話したいと思っていたんですけど。僕たちが一緒に暮らしてることは誰にも言わないでください。」
そういった瞬間、上山田先生は驚いた顔で俺を見た。
「どうしてですか?」
声が震えている。
「なんか面倒くさいじゃないですか、いろいろ」
そういうと、今度は顔に卵を投げつけられたみたいにぐちゃぐちゃで黄色い顔になった。
「・・・そうですね」
上山田先生はぶるぶる震える手でスプーンを持つと、イチゴヨーグルトを食べ始めた。
ショックだったみたいで、自分が今、大好物のイチゴヨーグルトを食べてるってことにも気付いてないみたいだ。
本当にこの人は。
なんて単純な人なんだろう。

