Down Mountain Field



イチゴヨーグルトを作ろうと冷蔵庫をあけると、納豆がたくさん入っていた。
俺は納豆嫌いだから買わないはずなのに。

あぁ、きっと上山田先生だ。

上山田先生と納豆は似てるし辻褄が合う。

ヨーグルトを取り出して賞味期限を見ると2週間も過ぎていた。
さすがにコレ出したらやばいかな?
だけど、上山田先生は便秘だし、少しお腹壊した方がちょうどいいんじゃないか?
上山田先生が美味しそうにイチゴヨーグルトを食べる姿ばかりを想像して、賞味期限の事なんかまったく気にしていなかった。それに、ちょっと復讐心もあった。
何の復讐かって?
ゲイのふりして、俺をもてあそんでたことだよ。
あんなにびっしりまゆゆの写真はりやがって・・・
俺は悔しくなって、イチゴを握りつぶした。

しばらくすると、ごそごそ音がしてきた。
キッチンから布団の方を覗くと、上山田先生が大きな伸びをしていた。
あんなに手を真っすぐ伸ばしても天上まで届きそうにない。あと上山田先生一人分必要なぐらいだ。小さいな・・・
ふと枕をみると、毛がごっそり抜けていた。
何か悩み事でもあるのだろうか?おれはなんだか上山田先生が哀れになって、イチゴを握りつぶす強さを弱めた。