しばらくして下山田先生の歌声が聞こえてきた。
「でーた、出た出た♪」
壁の向こうからこっちの様子をのぞき見てくる上山田先生を期待していた俺には、意外な結果で残念だった。俺が寝てると思ってるか、俺とあった出来事を忘れているかのどっちだろう。
上山田先生はスキップ(といっても殆どできてないけど)をしながら寝室に入ってきた。
そこで俺とバッチリ目があって固まった。
「あ」
彼は俺が起きてることに気づくと、顔を真っ赤にした。
しわくちゃな顔が真っ赤になるとリアルに梅干しみたいだ。
「上山田先生、すっきりしましたか?」
俺は何も気にしてないふりをしながら聞いた。
上山田先生は自分が用を足したことがバレてることに気付いて、もっと恥ずかしそうな顔をして足をもじもじした。
しばらくすると布団の中に入って、向こうをむいてしまった。
「・・・フッ」
思わず笑ってしまった。
まだ布団が動いてるから、たぶん中でもじもじしてるのだろう。
何やってるんだろう。
それを妄想するだけでも顔が勝手にニヤけてしまう。
上山田先生との同棲生活は楽しくなりそうだ。

