Down Mountain Field



「どうして俺と彼女が一緒になるとうるさくなるんですか?」


上山田先生は意味が分からないみたいでポカンとした顔をしている。
もう40越えてるのに。
本当に何の経験もないみたいだ。
まぁ顔からしてそんな感じだけど。

俺はだんだん近づいてみることにした。
ちっこい小動物みたいな彼は状況に気付いてあたふたしてる。

なんか面白くて、顔と顔がくっつきそうなぐらい近づいてみた。
毛穴がすごい開いてる。冷水で引きしめろよ。って言いたくなるのを我慢した。
イチゴヨーグルトの臭いが漂ってきて、上山田先生の顔がりんごみたいに真っ赤になった。いきなり彼はトイレへ駆け込んだ。

人ん家きて無断でトイレかよ・・・
しかも便秘じゃん。

そこらへんにいる女子をいじめるより上山田先生をいじめるほうがよっぽど楽しい。
女子どもの天然ぶってる感じにはもううんざりしていた。
上山田先生といる方が、他のどの女子といるよりも楽しい。
あれ・・・俺何言ってんだろ。

上山田先生がトイレに逃げ込んでから30分くらいたった。
トイレの戸が開く音がした。
水を流す音は聞こえてこない。
俺の予想では、この3つが考えられる。

1.本当に便秘でトイレにかけこんで無事用をたしたが流し忘れた。

可愛い・・・
おっちょこちょいで・・・あれ、俺また何言ってんだろ。

2.本当に便秘でトイレにかけこんだが結局でなかった。

これも可愛い。
保健室で倒れた時から一回も出てないと考えると、より上山田先生が愛おしく感じた。

3.俺といるのが恥ずかしくなって、トイレにいきたくもないのに駆け込んだ。

たぶんコレ。
これだったら俺、本当に萌える。