Down Mountain Field



授業は何の笑いを得ることもできず、
静かに終わりました。

ただ、咳がやけにでるので冗談で
「俺、結核かもしんねえ」と言ったら
数人の女子が笑ってくれました。

授業が終わった後に、一人の女の子が
僕に話しかけてくれました。


「こないだのテスト悪かったので、
上山田先生のクラスに下がりたいな」


アドバンスクラスの子のようです。
事前に点数は見たけど、かなり悪かった気がします。
顔も頭が悪そうです。
ただ、身長は僕より高いので
少しドキッとしてしまいました。


「古田先生と話しあわないと決められないよ」


「だけど、上山田先生のほうが授業分かりやすそうですよ」


しつこいですね。
僕に一生懸命話しかけようとしてくる。
もしかして・・・僕に気があるのでしょうか?
ありがたいですが、あいにく僕はこの子に興味がありません。
だけど、少しデートしてあげるぐらいなら
別にいいですけど。


「次のテストで100点取ったらデートしてやるよ」

「やった!」

その子は友達と笑いあいながらどこかへ行きました。
とても喜んでいる様子です。
転勤初日から、なかなか人気になったようです、僕。
思わず笑みがこぼれました。