Down Mountain Field


次の日の朝。
僕は物音に目が覚めました。
開いているカーテンから入ってくる日差しがとても眩しいです。
僕が起き上がると、枕にたくさん毛がついていました。
僕は、余計なことを考えすぎるとすぐに髪の毛が抜けてしまいます。
初めて松下先生に会った日から考え事が多すぎて、僕の髪の毛は抜けまくりなのです。

「おはようございます、上山田先生」

彼は僕の事を見向きもせずに朝ご飯をテーブルに出しています。
彼はいつもこんなに冷たいのでしょうか?
それとも、彼女のことはもっと暖かいまなざしで見つめるのでしょうか?
僕が布団から出ると、松下先生が馬鹿にしたようにフッと笑いました。

「何がおかしいんですか?」

「上山田先生・・・パジャマ・・・車柄なんですね」

「何がおかしいんですか?」

「いや、別に。可愛いなって」

彼に可愛いと言われると僕の胸はギューッと痛くなります。

僕が椅子に座ると、僕の向かい側に松下先生が座りました。

「上山田先生に話したいと思っていたんですけど。僕たちが一緒に暮らしてることは誰にも言わないでください。」

「どうしてですか?」

僕との同棲を隠したいなんて。
僕の存在が恥ずかしいのでしょうか?
動揺してる気持ちを隠しながら、僕はいたって平然とした顔で松下先生に聞きます。

「なんか面倒くさいじゃないですか、いろいろ」

ほら、僕のことが恥ずかしいんじゃないですか。
心にグサリとナイフが刺さったような気分です。

「そうですね」

僕は何も気にしてないふりをして、朝ご飯のイチゴヨーグルトを食べました。