Down Mountain Field


門をくぐると、大きな庭が両脇にあります。
門から家の玄関まで道のように小石が引きつめられていて、右の庭には犬小屋が、左の庭にはプールのようなものがありました。

なんて豪邸なんでしょう。プールは、前の家のお風呂の5倍はあります。
この家にあんなに礼儀の悪い人が住んでいるなんで・・・
もったいないですね。

僕が玄関に着くと、表札が見えました。
暗くてよく見えませんが、下という漢字が使われているような・・・・
ファイナルファンタジーのやりすぎで視力が0.01しかない僕にはよく見えません。
そんなことを考えていると、いきなり戸が開きました。

ガタンッ

勢いよく開いた戸が僕の額にひどく強く当たりました。

「・・・痛っ・・・」

「・・・・大丈夫ですか?」

僕が痛い額を抑えながら涙目で見上げると、
そこには松下先生がいました。

「・・・松下・・・先生??」

僕がそう言うと、松下先生は怪訝そうな顔で僕を見下ろしました。

「誰でしたっけ?」

僕の事を覚えていないなんて・・・!
僕はこんなにも一日中松下先生の事を考えているのに。

「上山田ですよ!上山田!」

「上山田・・・・?・・・あぁ!YISの先生ですね?」

彼はそう言うと僕を見ながら微笑みました。
ほ・・・・微笑んだ??

ハァハァハァハァ

なんて素敵な笑顔なのでしょう。
こんな素敵な笑顔、僕はいままで見たことがありません。
ペヨン・潤よりも素敵な笑顔です。