「・・・・では・・・お願いしてもいいでしょうか?」
僕はしぶしぶ大家さんの提案を受け入れました。
大家さんは嬉しそうな顔をして、電話をかけ始めました。
「もしもし?今火事がおこっちゃってさ~アパートに住んでたおじさんが家無くなっちゃってうるさいんだよ~」
おじさん・・・?うるさい・・・?
余計なお世話です。
「だからさ、おじさんの家が見つかるまで泊めてやってくんねえかなあ?え?今彼女がきてる?」
彼女がいるんですか。とても行きにくい・・・
「じゃあ、とりあえず彼女帰しちゃってよ。うん。じゃあ、おじさん連れてくから」
「だから僕はおじさんじゃ・・・」
「いいそうですよ。ではタクシーに行き先は言っておくんで。言ってみてくださいよ」
「あ、ありがとうございます・・・」
言葉づかいは気に食いませんが、なかなか良い人です。
大家さんが捕まえてくれたタクシーに乗って、僕はこれからしばらくお世話になる家に向かいました。

