Down Mountain Field



「おはようございます!」
「おはようございます・・・」


二人の若い先生が入ってきました。
一人は昨日話しかけてくれた若くて優しい雰囲気の先生。
そしてもう一人は・・・・・・
大猫角先生!!

僕は知らず知らずのうちに彼のもとへと走っていました。
抱きつきたい欲望を必死に抑え込んで僕は彼の目の前に立ちました。
黒いスーツで決めたスタイルの彼は、どこか冷たいまなざしで僕を見下ろしています。

「そっその・・・」

「・・・・」

「おはようございますっ、大猫角先生っ!!!!」

「・・・・・」

おそるおそる彼を見上げると彼は僕をまだ真顔で見下ろしていました。僕の鼓動の早さはピークです。この鼓動が彼に聞こえてしまいそう・・・
すると彼は、ニヤっと笑って僕を見下ろしました。すると僕の耳元で、

「俺、大猫角じゃないっすよ。ま・つ・し・た」

と囁いたのです。彼の吐息が耳に当たって顔が燃え上がりそうなほど熱くなりました。彼はそのままポツリと立っている僕を置いてどこかへ行ってしまいました。

「・・・・・・上山田さん?」

僕は放心状態だったようです。若くて優しい雰囲気の先生が僕の顔を不思議そうにのぞきこみました。

「・・・あなたが大猫角先生ですか?」

「はい、そうですよ^^」

「・・・」

興味のない男は無視する主義です。
僕はまだ赤い顔が悟られないよう、自分の席へ戻りました。