「揺れるから、僕に掴まっていてね」


「分かりました」


美鈴は、優斗の背中に掴まった。


優斗は、ウサの頭を触った。


すると、ウサは耳をパタパタして小さく鳴いた。


少しして、ソリが上昇し始めた。


ウサは、パタパタと耳を鳴らしてソリとともに夜空に舞い上がった。


眼下に広がる景色に、自分の家はどこかと探す間もなく、ソリはどんどん上昇して行った。