「少々お待ちくださいませ。」



あたしは不安を胸にキッチンに向かう。


「彗様。雨宮さんという方がいらっしゃいましたわ。」


「雨宮?千紘か?」



あたしは頷いた。下の名前で呼び合う関係なんだ。二人は・・・。あたしの入る隙間なんてないじゃない。



「彗君。あのね、」


「悪い。今は」



声が聞こえてくる。あたしは声が聞きたくなくて…逃げた。