「柚紗おいしい?」
「うん、甘くて好きー」
そっか良かった、そう思って自分も口の中にアイスを入れる。
……おいしいんだけど、なんかオレンジの味がする。それにちょっとお酒っぽい。
あーあたし、チョコにオレンジ混ざってる系なの無理なんだった……。
それにちょっとお酒も強い。
どうしよう、柚紗は苦いの無理だし、和泉もさっきイチゴミルクとかって言ってたし……。
「ねえ、千昭」
「あ?」
こそっと千昭を呼ぶ。
千昭は確かチョコ系ならなんでも食べるはず。
「あたしこれ味ちょっと無理っぽいんだけど、食べる?」
「え?何、俺に気使ってんの?」
「そんな暇ないわよ。オレンジが無理っつってんの」
「キレんなよ。……んじゃあ有り難く頂きますわ」
小さめの黒いカップが千昭の手に渡った。

