のんびりと話すさゆりに、思わず声をあげる。



…しまった。ハモった…。



セリフもタイミングも全て揃った声に、安西とお互いに顔を合わせる。



「ほらね?息ピッタリ!」


「「……」」



「…あっ、二人が降りたよっ。うんうん、幸せそうで何よりだね!」




そう言ってピッタリと窓にはりつくさゆりに、私も安西も思わず脱力した。



…ほんと、なんなんだろ…。



ふと顔を上げてみれば、安西も同時に顔を上げたらしく、ちょうど目が合う。


なんとなく気まずい空気の中、二人そろって視線を逸らし、


私はそのまま視線を窓の外へとやった。