「…いろいろと、我慢の限界で」


「え?」




私が聞き返すと同時に、「次の方、どうぞー」という係員さんの声が聞こえ、先輩に手を引かれながら中へと入る。

パタン、という音とともに閉められたドアから静かな二人きりの空間が生まれた。


先輩は「はぁぁ~っ」と息をはきながらストンと座り、私もその向かいに座る。



すると先輩がきょとんとしながら私を見て、突然、ぐいっと腕を引かれた。



「ひゃ、あ…!?」


「ダメじゃん、雪乃ちゃん。雪乃ちゃんは俺の隣」


「……っ!」



先輩はそう言って隣に座った私を見ると、満足そうに笑いながらぎゅーっと私を抱きしめる。



一瞬にして先輩のぬくもりと香りに包まれた私の胸は大きく飛び跳ねて。