「…あ、夏輝発見」


「えっ、どこどこ!?」


「雪乃は!?」



ぼそっと小さく呟けば、急に俺の方へと振り向く二人。


俺の視線の先を見れば、手をつなぎながらどこかへ急ぐ二人の姿が見えて。



「ちょっ、追いかけよっ」



急に瞳をキラキラさせたさゆりたちはそう言うと、俺に荷物を持たせて走り出した。



「はっ!?ちょっ…なんやねん、この荷物!」


「安西、早く来なさいよね!」


「はぁぁぁー!?」




俺が叫ぶのも気にせず、二人はどんどん走っていって。



「あーっ、ほんまなんやねん!」



俺は増えた荷物を持ち直すと、走って二人を追いかけた。