「あの…っ、さゆりせんぱ…」


困惑しながら慌ててさゆり先輩を見ると、ギィッとドアが開く音がして。


「買ってきたよー」


「ほんま…なんで俺らが買ってこなあかんねん…」



そう言いながら、両手にパンや飲み物を抱えた男の人が入ってきた。


「ん、メロンクリームパンでいいんやんな?」


「わぁー、ありがとーっ」


「安西のくせしておっそいわね」


「おまっ…!なんやて!?文句あるんやったら返せや!」



買ってきてもらったパンを食べる宮崎先輩に関西弁で叫ぶのは、安西恭介先輩。

さゆり先輩の、双子のお兄さん。


見た目は派手だけど、私にとって、賢くて頼りがいのある先輩。