遠目でもかっこいいんだとわかるくらいの先輩。

もちろん、そんな人が一人でいれば注目を浴びるわけで。



通りすぎていくほとんどの人が、一度はちらりと先輩の方を見ていく。


そんな先輩に恐る恐るゆっくりと近づいていくと、

ふいにケータイをいじくっていた先輩が顔を上げてこっちを見た。



「…雪乃ちゃん…?」


「あ…すみません、遅くて…」



小走りで近づいていくと、夏輝先輩はケータイをしまいながら立ち上がって、少し驚いたように私を見る。


そして先輩の前で立ち止まると、私も思わずじーっと先輩を見つめた。