しばらく見つめていた後
少女が燐太の視線に気付き
燐太の方へ振り返った。

燐太は驚いてその場で小さく声を上げて飛び上がってしまった。

その様子を見ていた少女は
小さく吹き出していた。


「…あははっ、そんなに驚かなくてもいいじゃない」

「いや…その…あの…」

さっきまで見つめていた少女に話しかけられて
焦っている燐太。
上手く言葉が出てこない。

ただ手を動かしてきょろきょろとしているだけだ。


「キミ、新入生だよね?」

「う、うん…何で分かるの」

「だって、それ持ってるの新入生だけだもん」


少女が指差したのは
燐太の持っていた新入生に配られた冊子だった。


「…そっか。」

「ふふっ…面白いね、キミ。私、飯島華那!キミは?」

「…あっ、相原燐太!!」

「相原くんね!よろしくね!私も新入生なの。同じクラスだったら良いね!」


眩しいくらいに輝く笑顔を向けられた燐太は反応に困ってしまった。

目が泳ぎ、耳まで赤い。


華那はそんな燐太を見てただ笑っていた。