「…あれっ?」

思わず声が出てしまった燐太。
理由を言えば無理もない。

そこには
朝見掛けた少女がいたのであった。

燐太の鼓動がどんどん速くなってゆく。

話し掛けてみたくて
何度も口を開いては閉める。

そんな燐太には全く気付かず
已然としてそこに立っている少女。

燐太はそんな少女を
ただ見つめていた。

それまで美しいと思っていた色とりどりの花たちも
今の燐太の前にはなんの意味も持ち合わせていなかった。