翌日。

入学二日目である。
燐太は今日こそは失敗をしないぞ!と自分に渇をいれる。

ピシッと決まったブレザーに袖を通し意気揚々と玄関を去る。





燐太の通う貞成高校は燐太の家から徒歩で10分ほど。
先日の入学式で散々やらかした燐太には勿論共に通う友人など 
ひとりも
いなかった。

新しい通学路を一人とぼとぼと歩く燐太。
そんな燐太の後ろから聞き覚えのある声がした。


「相原くん!」


振り向いてみるとそこにいたのは


「…せ、先輩!」


生徒会長の青島だった。
思わぬ遭遇に燐太も一樹の元へ走る。


「先輩家こっちなんですか!?」

「そうそう。まさか会えるとは思わなかったよ!」

「いやぁ…良かった!俺一緒に行く人いなくて。先輩が声かけてくれてなかったら寂しさのあまりバルーンアートするところでしたよ」

「あはは!逆に見てみたかったな」

「ちょ、冗談です…」

「分かってるよ、そんなこと。」

一樹が優しい目線を送る。
燐太の表情から思わず笑顔がこぼれた。