「まぁ2年にひとりふたりいるから大丈夫だよ。」


青年は満面の笑みで燐太を見ている。
その笑顔にうっかり気を緩めそうになる燐太。


「そういうもん…なんですか?」

「うん。ちなみに2年前俺も君と同じ経験してるからさ」

「えっ!?」


二度目の驚きである。
燐太の大きな瞳が青年をみつめる。

このしっかりしていそうな青年がまさか自分と同じ事をするようには見えなかったからだ。


「おっと、自己紹介が遅れたね。俺はこの学校の生徒会長やってる青島一樹(アオシマカズキ)っていうんだ。よろしくね」

「っあ!おっ俺、相原燐太ですっ」

「相原くんね。何かあったら俺のとこ来ていいから。分かんないこととかたくさんあるだろうし」

「あっ…ありがとうございます!青島生徒会長っ」


燐太がそう言うと、一樹は笑って返した。


「あははっ…普通に先輩で良いよ。」

「はっ、はいっっ」


燐太が緊張するのも無理はない。何せ目の前にいるのは全校生徒の代表である生徒会長なのだから。


「あ。多分校門どこか分かんないよね?つれてってあげるよ。おいで」

一樹は燐太の手を掴んで誰もいない廊下を歩き出した。

燐太はそんな一樹につれられて校門へと向かった。