君が星こそ悲しけれ。



“別れよう”


絵文字もない素っ気ない
メールが届いたのはつい数時間前のこと。


“どうして?”


先生の目を盗んで手早く
携帯を打ち、メールを送信する。


何度も何度もセンターに問い合わせて
みたけど、拓真から返事がくることはなかった。



拓真と付き合って2年。


中3の夏に拓真に告白されて付き合った。


格好良くて面白くて、
クラスのムードメーカー的存在
だった拓真に恋心を抱いていた
女の子も数多く、私もその中の一人。


二つ返事でOKした。


拓真はサッカー部のキャプテン
だったから毎日遅くまで練習していて、
私は教室から見えるグラウンドを眺めながら
部活が終わる拓真のことを待つのが日課だった。


「悪ぃ、練習長引いて遅くなった!」


そう言って汗を流しながら
走って私の元へ来て抱きしめてくれる。


「汗くさ〜い」なんて私が冗談っぽく
引き離そうとすると、八重歯を覗かせた
無邪気な笑顔で私を更に強く抱きしめる。


私は拓真の笑顔が大好きだった。