君が星こそ悲しけれ。


プップー

私の思考を停止させるかのように
背後から鳴らされたクラクションの音。


マフラー音を響かせ私の
横に止まった車は白いセダン。


音楽のボリュームを最大に
しているのか重低音が外まで洩れている。


「この車さっきの…」


私が言いかけた瞬間、
真っ黒なスモークの貼った
運転席側の窓がゆっくりと開けられる。


どうしよう、道を塞いだことに
腹を立てて戻って来たのかな。


一応頭は下げたけど、
もしかしたら見えていなかったのかも。


そんなことをぐるぐると
迷走しているうちに車の窓は開いてしまった。