私の目に映ったのは、 反対側の歩道で手を繋いで 歩く幸せそうなカップル。 どこにでもある光景の はずなのに、今日だけは違う。 周りの建物も信号も車も どんどん色をなくして白黒になっていく。 まるで、そこに居る カップルだけを照らしだすように。 「たく…ま…?」 やっとのことで絞り出された その名前に胸がぎゅっと締めつけられる。 大好きだった人の笑顔は 私じゃない女の子に向けられていて、 目を覆いたくなるような光景なのに 足が石のように固まって動かない。