君が星こそ悲しけれ。


肌寒い秋風がふわりとスカートを
揺らし夏が終わったことを感じる。


空を見上げれば漆黒の闇に
散りばめられた星がきらきらと
輝いて、ふと過るのは大好きな人の笑顔。


「拓真…」


今にも消えてしまいそうな声で
名前を呟くと、涙で視界が滲む。


プップー


短いクラクションが2回鳴り、
我に返るとどうやら私は道の
ど真ん中を堂々と歩いていたらしい。


急いで涙を拭い道の端に避けると、
重低音を響かせた白いセダンが真横を通過する。


私は自分の不注意で道を
塞いでしまった罪悪感に一礼をして
顔を上げた瞬間、呼吸が止まるのを感じた。