いきなり何を言っているんだろう。だって、涼には彼女がいるじゃないか。


「からかってるの?そういうの嫌。」

「おれが嘘ついたことある?奈月はおれのこと嫌い?」

「嫌いじゃないけど…涼にはちゃんと彼女がいるでしょ。好きってどういう好きよ。わかんない。」

少し考え込んでから私の顔をまっすぐみて涼は静かに話し始めた。


「奈月はかわいいと思うし、とってもいい子だよ。話しだってあう。彼女がいなかったら絶対アタックしてるよ。ただ、いままでそういうふうに奈月のことみたことなかったんだ。でも、この前部活のやつに言われてから奈月のことが気になってしょうがないんだよ。ごめん。自分でも何言ってるかわからなくなってきた。」


あははっと笑って涼は自販機でコーヒーを買ってきてくれた。本当に買ってくれるところが彼らしいと思った。


 私はずっと考えていた。涼の気持ちはわかったけれど、頭の中で整理できなかった。

もうそろそろ電車に乗らないと学校に間に合わない。

残された時間はあと少しだ。