「何かいいことでもあった?」

久美が聞いてきた。

「な、なんで?」

「朝からずっとにやにやしてる。」

「そうかな〜?実はね…」

私は涼とのことを簡単に話した。思っていた通り久美からは大ブーイングをうけた。

「ねぇ、それってどういうこと?!涼くんは彼女と別れてないんだよね?」

「うん…別れる気ないと思うけど…。」

「それじゃ、奈月は浮気相手ってことでしょ?信じられない。」

久美は眉間にシワをよせて仏頂面で言った。

 そう、久美の言う通り私はただの浮気相手にすぎないのだ。わかってる、わかってるけど…。自分の中で涼の位置付けが上手くできていないのだ。