「あ、あるわけないでしょ!!無理無理!!!」


「えーなんで?」


えーなんで?じゃないよ!
ほら見て!谷口くん、すっごい顔引きずってるよ!!!ヤバいよアレ!!!



「いい機会じゃん!男嫌い治すことができるかもしれないし、潔癖症も治るかも…。」


「いやいや!!無理って!ねぇ!谷口くん!!!」


ちらっと見ると


ギロッと睨まれた。


ぎゃう、怖っ。



「他他!!他なんないかな!!!」


「ー…がねぇ。」


ボソリと呟き声がきこえた。


「え?」


「しょーがねぇ。」


え?何が?


「瞬?どうしたの?」


「いつまでも、美夏に頼ってるわけにもいかねーからな。しょーがねぇ。乗ってやるよ、その話。」


「谷口くん?」


「桜坂…だったか?」


「う、ん。」


「今日から、俺の仮女だから。全力で俺を治せよ。」


「わ、わかった。」


迫力に負けて、オーケーしちゃったけど。

全力って無理でしょ!!!
ただでさえアタシも男嫌いなのに…



さっきの言葉も、命令口調だったし…。

え?
アタシに拒否権はないんですか?




だから、男って嫌い。