「おっはよー!!!葵チャーン!!!」


「うぎゃ!お、おはよう。美夏。」


佐野 美夏。

小学生の時からの大親友。
アタシの一番の理解者。


「美夏…聞いてくれない?朝から、痴漢されてー…。」


「うわっ、葵なんか痴漢するヤローなんていんのかよ!?」


「てめっ、それどーゆー意味だよ!!!達哉!!」


松田 達哉。
最悪なアタシの幼なじみ。


「俺以外にも被害者が…可哀想にー。」


「たーつーやー!!!なめてるの?痴漢ヤローが悪いでしょうが!!!そもそも?アタシ、今日は投げ飛ばさなかったよ?」


ふふん、と鼻をならす。


「ぜってぇ、投げ飛ばすつもりだったろ?」


うっ、否定できない…


「え?じゃあ、我慢したの!?葵、成長したじゃない!!!」


ぎゅー、と抱き締めてくる親友。


「違う違う!なんかね、同じ電車に乗ってた男が助けてくれたんだよ!!!」


「助ける?お前を?ないないないない!有り得ねーって!!」


「ちょっと、黙っててくれないかな。だから、男は大嫌い。」


ぶーぶー、と言っている達哉は無視。