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Side:
.+*葛野 睦*+.
.+*Atushi kuzuno*+.
「はあ………………」
久遠が去った後、オレは大きなため息をついた。
胸の中に溜まったモヤモヤしたものを全部吐き出すため息だ。
「なんだって、久遠はあんなふうに自分を責めちまうんだ。
もっと……素直になりゃいいのによ……」
静かな誰もいない屋上でぼやく。
手鞠ちゃんならきっと、久遠をなんとかしてくれると思った。
彼女を見た瞬間、そう思った。
それは、久遠が今まで付き合ったことのない純粋無垢(じゅんすいむく)な女の子だったからだ。
オレは…………。
オレには久遠を助けることはできなかった。
何度も何度も助けようと思った。
手も貸した。
だけど、ダメだったんだ。
久遠の悲しみは……尚吾の怒りはそれほど強いものだった。
「本当よね」
声はいきなり頭上から聞こえた。
はしごを伝って降りてくる腰まである茶髪の美女。



