∮ファースト・ラブ∮


∮***

Side:
    .+*葛野 睦*+.
   .+*Atushi kuzuno*+.










「はあ………………」


久遠が去った後、オレは大きなため息をついた。

胸の中に溜まったモヤモヤしたものを全部吐き出すため息だ。



「なんだって、久遠はあんなふうに自分を責めちまうんだ。

もっと……素直になりゃいいのによ……」


静かな誰もいない屋上でぼやく。

手鞠ちゃんならきっと、久遠をなんとかしてくれると思った。


彼女を見た瞬間、そう思った。


それは、久遠が今まで付き合ったことのない純粋無垢(じゅんすいむく)な女の子だったからだ。


オレは…………。

オレには久遠を助けることはできなかった。

何度も何度も助けようと思った。

手も貸した。

だけど、ダメだったんだ。



久遠の悲しみは……尚吾の怒りはそれほど強いものだった。







「本当よね」


声はいきなり頭上から聞こえた。

はしごを伝って降りてくる腰まである茶髪の美女。