∮ファースト・ラブ∮


「本当だ。

甘くて美味しいね。


はい。

あ~ん」


「せ、せんぱ!!」


ころり。


抗議の声をあげるために口をあければ、また口の中にチョコレートを放り込まれる。


「せ!!!」


ちゅっ。


「んむ~!!」


そして、またキスされる。


「先輩!!

自分でチョコ食べ!!」


『自分で食べて!!』

そう言おうすれば、あたしの口の中に何かやわらかいものが入ってきた。


それが先輩の舌だってわかったのは、あたしの腰が抜けた後のこと……。


先輩の舌があたしの口の中をぐるりと一周する。



ちゅっ。


「手鞠ちゃんのチョコレート、美味しいね。

ありがとう」