∮ファースト・ラブ∮


長いまつげが切れ長の目に影を落としている。

右の目じりにある黒子が妖艶さを引き立たせていて……。



先輩……やっぱり綺麗デス……。



「ごめんね、歩くの速かったね」



ふわり。



あたしの体が、また宙に浮く。




え?

え?

え?



のええええええええええ?





胸のうちで悲鳴を放つのは、もちろんあたし。


だって、だって、あたし、また先輩にお姫様抱っこされてるんだもん!!



「あ、あの、あのせんぱ!!」


抵抗しようとすれば、先輩はにっこり笑った。


「昨日、どうしてぼくのとこに来てくれなかったの?」