「あ、あの、先輩!!」
歩くの速い。
先輩の足は長いからいいかもしれないけど、あたしは短いんだ。
もちょこっとゆっくり歩いてくれないと、あたし、またこけ……。
って思った瞬間だった。
「のわわわっわ」
あたしの体が斜めになった。
つま先は地面に食い込む。
うそん。
お約束のシーンだよ!!
コケる!!!!!!!
そう思ったんだけど……。
「……おっと」
トン。
あたしの体にはいくら待っても地面に体を打ちつけた衝撃も痛みもやっては来なかった。
……そろり。
目をあければ、そこには…………。
先輩の綺麗な顔があった。



