先輩から顔を逸(そ)らして自分のおへそあたりを見つめてしまう。
「手鞠ちゃん」
上からあたしを呼ぶ声が聞こえて上を向けば…………。
ちゅっ。
「!!」
キス…………された。
「せ、せんぱ!!」
あたしの頭の中が真っ白になった。
先輩の唇から離れて胸板を押した。
ちゅっ。
「!!」
また…………キス……されちゃって…………。
「せ、せ…………ん!!」
ちゅっ。
また………………。
何回も何回も、短いキスをされてしまう。
その度にあたしの心臓がつぶれそうに苦しくなる。
はにゅうううううううん。
一気に腰が砕けてしまった。
もし、先輩が抱っこしてくれてなかったら、
あたしは今頃冷たいコンクリートの上でヘタってなっていたと思う。
「手鞠ちゃんは、可愛いね。
ご褒美、ありがとう」
クスリと笑う声があたしのぼんやりした頭に聞こえた。



