∮ファースト・ラブ∮


恋……………………。



あたし、知ってた。

この恋は叶わないものだって。




でも、諦めることできなくて、一生懸命久遠さんについて調べた。


名前は麻生 久遠。

あたしよりふたつ年上で、緑ヶ丘高校に通う人。



あたしは迷うことなく緑ヶ丘高校に受験した。


苦手な数学もがんばって、合格できた。



そんなあたしの前にやってきた麻生先輩にはうわさがあった。



――――そう。

そのうわさっていうのが、付き合った彼女は数知れず、

来るもの拒まず去るもの追わず。


特定の彼女はいない。


そんなうわさ。




だから、あたしは決意したんだ。


先輩の目に、もう一度映りたいって。


たとえ、かなわない恋でもいいって。







――――――――――そう、思ったんだ。