トゥルルルルル…………。
トゥルルルルル…………。
トゥルルルルル…………。
あたしの耳元で鳴っている規則的な電子音は一向に止まる気配はない。
…………どうしたんだろう?
眉を寄せて、あたしを抱きしめてくれている、とってもカッコいい王子様を見つめれば……。
にっこり。
笑顔を見せてくれた。
嬉しい……んだけど……とっても…………恥ずかしいデス。
王子様から視線を逸(そ)らせば……。
ちゅっ。
「!!」
キス…………されました。
だけど、抗議することはできない。
なんたって、今、あたしは家に電話をかけているところだから。



