「手鞠ちゃん。
おかえり」
麻生先輩はそう言って、そっと……あたしの指と指の間に指を絡ませる。
麻生先輩の左手薬指の先と……あたしの右手の……薬指の先が『ちょん』って触れる。
まるで……指で……キス……されてるみたい。
そして……麻生先輩の大きな手が、あたしの手をすっぽり包み込むの。
……そしたら……また手は離れて…………。
……また……『ちょん』って指先と指先が……触れる。
何回も……何回も……。
まるで……あたしの全部を好きだって言ってくれてるみたいに、同じ動作を繰り返す………。
……くすぐったい。
「……んぁ…………」
やだ。
変な声がでちゃった。
「手鞠ちゃん……愛してる」
トクン。
あたしの心臓は大きく跳ねる。



