涙がひけば……ずっと続く海と空の境界線を見つめていた。 「手鞠(てまり)ちゃん……」 ――――え? 「!!」 真後ろであたしの名前を呼ばれて振り向けば………。 あたしが何より、誰より好きなひと。 消えても、側にいたいと思った、大切なひとが…………。 立っていた。