黄色い悲鳴を背中に受けながら、

あたしは先輩に腕を引っ張られて正門を出た。




それからの先輩は無言だった。



……きっと……とっても怒ってるんだと思う。


だって、とっても人気の人を放っておいて帰ろうとしたんだもん。

先輩のプライドを傷つけてしまったかもしれない。



手は…………もう離れている。


あたしと先輩との距離は大股一歩ってとこかな。


先を行く先輩の背中をずっと見つめていた。





もうすぐで先輩とお別れだ。

一本道からふた手に分かれた道。


先輩は右へ。

あたしは左に曲がる。



家が近かったら、もっと他に言うことできたのかな。


そう思っている間にも、分かれ道は近づいてくる。



このまま進めば確実に何も話さないで終了してしまう。


付き合った直後でいきなりこんなギクシャクした帰り道ってどうよ?



もう、最悪。