「ぷっ。
あははははははは。
年下の小娘に言われちゃ立つ瀬ねぇ。
あははははははははははは…………」
尚吾さんは……泣きながら……笑っていた。
あたしは、そんな尚吾さんに背中を向けた。
あとは……三人の問題だと思ったから…………。
「手鞠(てまり)ちゃん……」
麻生先輩が小さな声で呼びかけてくれる。
でも、ダメ。
今は……顔が見れない。
見たらね、あたし、やっぱり麻生先輩を諦められなくなる。
だって……こんなに好きになったから……。
ばいばい。
――――――先輩。
あたしはその場から急ぎ足で去った。
後ろには、紀美子先輩と、葛野先輩が着いてきている気配があった。



