「あたしも行くわ」 紀美子先輩が口にしてくれたその言葉が、どれだけ嬉しかったか……どれだけ楽になったか……『ありがとう』の五文字では言い表せないくらい。 だから、あたしは、紀美子先輩の腰に腕を絡めた。 「ほんとに、久遠にはもったいないよ」 紀美子先輩はひと言、付け加えて、あたしと、呼び出された香織さんとで教室を出た。 だけど……知らなかったんだ……。 その時、あたしと紀美子先輩。 そして……香織さんの後姿を……尚吾さんが見ていたなんて……知らなかったんだ。