∮ファースト・ラブ∮


今度生まれてくる時は、もっとちゃんとした恋をしよう。


もっと素敵な人間になって…………麻生先輩みたいな素敵な人と恋ができたらいいな……。




「ねぇ、最近手鞠元気ないね。

どうしたの?

麻生先輩と何かあった?」


お昼休憩のグラウンド。

隅っこにあるブランコをこぎながら、親友のあいちゃんが訊いてきた。



やっぱし……わかっちゃうもんなんだね。


頑張って笑っていたつもりなんだけどな…………。




太陽が苦い気持ちのあたしを照らしてくれる。

グラウンドの真ん中では、サッカーやバスケットボールをしている生徒がにぎやかに走ったりしている。


そんな中……不似合いともいえる苦痛を胸に抱いたあたしの姿は、さぞや滑稽(こっけい)に見えることだろう。



「……うん。

嫌われちゃった…………」

言えば、また涙が出てきそうになる。


口は下に向いてしまう。


「飽きたって…………言われちゃったの……」


だから、もう、側にさえもいられない。




それでも……どんなにひどい言葉を言われても……麻生先輩が好きなの……。



ほんと。

あたしって、バカだ……………。