∮ファースト・ラブ∮


やがて泣き疲れ、落ちていくあたしの意識の中。

お母さんのあったかい胸の中で…………。


「綺羅ちゃん……大丈夫だよね?

手鞠……消えないよね?」

「ああ、手鞠は大丈夫だ。

俺たちのように、きっと…………」


「うん。

だってね、あたしたちの子供の手鞠が選んだ人だもん。

大丈夫だよね……きっと…………きっと……」



お母さんとお父さんの小さな声が聞こえた。